第17号・内容紹介



百万遍 Hyaku-man-ben 第17号


 2026年09月10日









○ 追懐:田川恒夫さんのこと

  Remembering the late TAGAWA-Tsuneo

(木内 義勝)

 

 私は大学院時代の3年間にわたって、田川恒夫さんという方の日常生活を援助するお役を務めたことがあります。田川さんは全盲でした。京大大学院の経済学科で学び、普段のレポートあるいは論文はすべてドイツ語によってお書きになりました。また、流暢なドイツ語をよどみなく話されました。英語、フランス語も当たり前のように、読み・書くことができました…



【執筆者自己紹介】

 木内 義勝(きうち  よしかつ): 昭和18年(1943年)長野県松本市生まれ。開智小学校、信州大学附属松本中学校、松本深志高校を経て京都大学教育学部入学(1962年)。小中時代は野球に熱中、高校3年間は軟式庭球部中心の生活を送り、インターハイ(於・新潟市)に出場。学部から大学院教育学科に進むも4年で中退し、加藤秀俊先生に誘われてシンクタンクCDI(京都)に入社。その後、East-West Center(ホノルル)に派遣され、1年間の学習院大学東洋文化研究所勤務を挟んで再びハワイ大学大学院人類学研究科で過ごしたのち松本へ帰郷。松本では3つの会社(IT, 食品、教育)の取締役を18年間にわたって務め、2002年に松商短期大学経営情報学科教授に推挙され就任。65歳で定年となり5年ほどの怠惰を破るように2014年、松本短期大学学長就任の話が唐突に持ち込まれ、迷いの末に受諾して現在に至る。著書はCDI時代の『コミュニティ・バンク論』(編集・執筆、鹿島出版)、学習院時代の『環境と地域文化』(学習院大学東洋文化研究所叢書)。中日新聞にリレーコラムを忘れもしない1989年の「天安門事件』後から8年にわたって執筆した。





○ 大阪案内人2       The Osaka Navigator  2


 2006年10月22日は、近鉄上六駅に集合だった。まだ「新歌舞伎座」は出来ていない時で、駅ビル(近鉄百貨店上本町店)の南側はだだっ広い広場となっていた。そこにみんな集まってから、東の方に歩き出した…

(福島 勝彦)


【執筆者自己紹介】

 福島 勝彦(ふくしま  かつひこ)1945年8月生まれ。大阪市出身。ちょうど戦争が終わったときに生まれ、以後81年間、「戦後」の時代とともに生きてきた。戦争とは無縁の平和な時代だったが、それがこのあといつまで続くことやら。京都大学文学部を卒業して、半世紀以上経った。現在も、作品ホームページ「二十世紀作品集」を開設中。http://happi-land.com/ こちらもご覧ください。






○ 全訳『世界の記』(7版対校訳)4

 Le Devisement dou Monde of Marco Polo 

〜 The Collated Translation of the Seven Editions 4


  IV カタイとマンジ

    (2) 沿岸部

        17  「天の都」キンサイ Ch.152 (改訂版)

1 女王の文書かファクフル王の友人の富豪の商人か

2 東方記・世界図の中のキンサイ


        18   キンサイからのグラン・カンの収入 Ch.153

        19 タンピンジュ・ヴジュ・ギュジュ・チャンシャン・クジュ Ch.154

                  ― チャンシャン常山と九曲渓 ―

        20 フジュ王国 (福建) Ch.155

                  ― 橋・香料・砂糖 ―

        21 フジュ 福州 Ch.156 

                  ― マニ教・浦西福寿宮 ―

        21 ザイトン 泉州 Ch.157 

                  ― 順済橋・磁器 ―


(高田 英樹)


【執筆者自己紹介】

 高田 英樹(たかた ひでき): 1941年兵庫県丹波生まれ。京都・ピーサでイタリア語を学ぶ。ローマ・京都・松山・大阪で留学生に日本語を教える。今宝塚・丹波で再びイタリア語を勉強している。






同人誌『百万遍』第17号・編集後記


 昨年秋、「ガラスの天井を破った」と喧伝されることもなく、日本初の女性首相が誕生した。そして、彼女がやったのは、「選択的夫婦別姓」と「女性天皇」を潰すこと。まさに「女の敵は女」だったのだ。それまでの言動から、そういうことは十分に予想されたので、「ガラスの天井を破る」と評したものが誰もいなかったのも当然だろう。

 さらに、彼女は、それまで徐々に企てられていた「軍備の強化」を臆面もなく、一挙に推進しようとしている。そんな「富国強兵」路線が、年が明けて、抜き打ち的に実施された総選挙で、あろうことか、これまでにない圧倒的な勝利を得た。

 あのナチス・ドイツは、非合法なクーデターによって、政権の座についたのではない。正当な、民主主義的な手続きで、それまでの「ワイマール体制」を骨抜きにしていった。かつて「あのナチスの手口を学んだらどうかね」と嘯いて、世界中を驚かせた人物が、現在日本の「政局」の中心にいるという。また、やたらと「制度」を改変したがる政党があらたに連立与党に加わって「アクセル役」をつとめているらしい。おそろしい世の中になったものだ。

 さて、17号を迎えた「百万遍」だが、予想通りの激烈を極めた「酷暑」のせいもあってか、常連執筆者に「体調不良」が続出して、3名だけの寄稿になってしまった。しかし、この「休載期間」は貴重な「助走期間」でもあるので、次号の「満載」を期待したいと思う。

 なお、先号から寄稿の木内義勝氏が正式にメンバーとなられた。乞うご期待。


(2026.09 福島記)



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